シジミ産地判別検査解説

遺伝子分析と安定同位体比分析の複合による高精度シジミ産地判別検査を提供

遺伝子分析では困難であったロシア産ヤマトシジミと北日本産ヤマトシジミ判別を解決。
国内産地(主要産地:北海道、島根、青森、愛知など主要生産地)の判別も実施。
加熱処理済や加熱加圧など熱加工処理をされた検体に対応。

遺伝子分析による遺伝子地域型の解析と、安定同位体比分析による生育環境解析を複合させる事で、シジミの品種と生育環境を複合して判別する画期的な産地判別検査の提供を開始。

単一検体から複合検査を実施

遺伝子分析  地域集団の遺伝的変位を特定
  • 検体中の遺伝子を分析
  • 種特異遺伝子、系統解析
  • 品種的な遺伝子指紋
安定同位体比分析  生育地の安定同位体比を反映
  • 検体の組成元素同位体比を分析
  • C/N, D/O
  • 物理的な化学的指紋

シジミの産地判別検査では、遺伝子の地域的分布によるミトコンドリアDNAの配列の差を解析する事で、日本・韓国・中国・ロシア・北朝鮮などの地域の判別が行われてきました。

しかしながら、現状の遺伝子解析法ではロシア産と北日本(北海道・青森)の判別が困難な他、中国・韓国・北朝鮮などの地域の判別についても、遺伝子地域性から国をまたがるものがあるなどの制約がありました。

一方、安定同位体比分析による解析は生育地域の環境の化学的指紋である安定同位体比を分析するものであり、遺伝子地域分布が同じでも、生育地による差異を判別する事が可能です。遺伝子分析による地域的分布と安定同位体比分析による生育地域分布解析を組み合わせる事で、より高精度の産地判別が可能となります。

同位体研究所は、国内主要産地の他、韓国主要産地、ロシアとヤマトシジミ生産地域でシジミのサンプル収集を自社で実施し、由来の確認されたヤマトシジミ検体の遺伝子と安定同位体比を同時に解析する事で、高い精度で国内・海外、国内産地間の判別を可能としました。

サービス開発の背景

しじみ味噌汁などシジミは、日本の食文化に深く根ざしています。シジミは国内では約10,000トン程度が収穫されますが、この数量は、国内のウナギや鮎などより遙かに多く、内水面漁業の40%程度を占めています。

国内で収穫されるシジミの内、黒い貝殻が特徴的なヤマトシジミは全体の99%程度を占めます。しかし、昭和40-50年頃には5-6万トンあった漁獲量も、現在では1万トン程度に減少しています。主な産地は、島根(宍道湖)、愛知・三重(木曽川)、青森(十三湖・小川湖)、網走・天塩、茨城(涸沼)などです。

一方、輸入されるシジミは、生鮮・冷蔵のものが過去、中国、韓国、北朝鮮から多く輸入されていましたが、現在はロシア産が約3,000トン程度輸入されています。この他、冷凍のものが台湾などから輸入されています(台湾産は、健康食品原料用が主体でヤマトシジミではない)。

このように生産が減少する中で、シジミは日本人の食卓には深い繋がりがある食材であり、生活に根ざしたものと言えるでしょう。生産減少による価格の上昇や、供給量の減少に対して外国産のシジミを国産と偽装して販売するなどの事例が後をたたない状況です。

検査仕様

対象 生鮮・冷蔵・冷凍シジミ、真空パックシジミ、フリーズドライその他加工シジミ※1
分析法

窒素・炭素・酸素・水素安定同位体比分析による産地判別(対象国:中国、韓国(南西部・東北部)、ロシア、国内主要産地

ミトコンドリアDNA解析による遺伝子地域型判別(ロシア・中国・北朝鮮・韓国(東北部・南西部)、国内(北日本、東京、島根、愛知・三重、茨城等主要産地)

安定同位体比分析は、加熱されたシジミ・味付けされたシジミについての分析に対応しますが、遺伝子分析の場合、加熱(圧力加熱)された検体の場合、遺伝子が劣化し分析が困難な場合があります。

判別結果報告例

同位体分析結果:

国産・輸入判別、原産国によりロシア産判別、韓国産判別等の結果を記載:
例)外国産 ロシア産 韓国産でない 等。

国内産地判別の場合、主要産地を対象とした判別結果を記載:
例)島根県産、青森県産、北海道(網走)産等

遺伝子分析結果:

シジミ品種:ヤマトシジミ又は非ヤマトシジミ

遺伝子地域型:北日本・ロシア産、韓国南部産などの該当地域記載

該当地域:北日本・ロシア(アムール・樺太)、韓国南部(プサン・ハドン等)
(遺伝子の加工による劣化や検体腐敗による劣化等により遺伝子分析が困難な場合があります。遺伝子分析が困難な場合は、遺伝子分析不能と記載されます)


国内産地判別について

国内産地判別の場合、遺伝子地域は北日本(北海道・青森)、島根、愛知・三重等の主要産地遺伝子分布結果を記載。また安定同位体比値表示産地とデータベースとの照合(判別分析)結果記載(尚、北海道、青森産シジミは、北日本産シジミ遺伝子型として分類される為、遺伝子分析のみでは判別できません)

遺伝子・同位体総合判別結果:

ロシア産、韓国産、宍道湖産、青森県産、網走産など、遺伝子・同位体分析結果よりの判定を記載
(安定同位体比分析と遺伝子分析を複合させる事で、ロシアと北海道・青森は判別されます。また韓国南部・東北部、北朝鮮についても判別されます)

必要検体量 しじみ10粒以上
価格 45,000円/検体
50,000円/検体(加熱処理済や加熱加圧など熱加工処理をされたもの)
所要時間 約1週間(お急ぎの場合は、ご相談下さい)
受託開始日 2019年8月1日
※1 加工度が高い場合に、遺伝子が劣化して分析不能の場合があります。この場合、安定同位体比分析法による判別が提供されます。