必要な定量下限を得る為の測定時間の設定とは?
測定時間により定量下限はより低くなる。
測定時間の設定には、検体量を踏まえて適切な測定時間設定が必要
実際に牛乳で微量の放射性セシウム(Cs-134とCs-137)を含む検体の測定例を示します。600秒測定の場合では、セシウム137のみが検出されています。しかし全般に積算が十分とは言えません。次に1,200秒測定のチャートを示します。 ウム134と137それぞれが検出されている事が示されます。積算も進み、バックグラウンド(ノイズ)に比較しても検出されたピークが明瞭となってきている事が示されます。そして最後に2,000秒測定を示します。 この測定時間であれば、それぞれの検出ピークは、バックグラウンドと比較しても明瞭に示され、放射性セシウム134と137、それに環境放射能であるカリウム等が検出されている事が示されます。このように測定時間を十分に設定する事でより精度の高い検査が可能となります。
ゲルマニウム半導体検出装置では、検出器にいかに効率良くγ線を当てるかという点が非常に重要です。検体量と検出下限のページでは、よく用いられるU8型容器と2Lマリネリ容器を示して、どのように検出器にセットされるかを示します。 検体量が多いほど検出良好となるのが示されています。
上記の検出下限値については、検体によって変動しますので、必ず記載されている定量下限に到達するものではありません。おおよその目安として理解してください。(バックグラウンド:ノイズは検体中の環境放射能の量などで変動します。 特に福島地域由来の検体であればより多くの核種が存在している為、バックグランド:ノイズは高めになります。このため定量下限が高くる場合が多くなります)